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新社長が語る、会社を「一つのチーム」に変えた挑戦

モビリティ関連小売業 | 社員数:約30名規模 | 代表取締役社長

業種

モビリティ関連小売業

規模

社員数:約30名規模

主な支援内容

戦略策定、経営理念・MVV策定

引き継いだのは、会社と「課題」

先代から会社を引き継いだのは数年前のことです。モビリティ関連の販売・サービスを手がける小売業。約30名規模、複数拠点を展開。お客様との信頼関係を大切にした経営で、安定した顧客基盤を築いてきました。

しかし、社長の椅子に座って初めて見えたのは、これまで気づかなかった数々の課題でした。

拠点間の連絡は電話とFAX。予算管理は紙の帳簿とExcelの併用。毎月の収支を正確に把握するのに何日もかかる。そして何より、各拠点がそれぞれバラバラの方針で動いていて、「会社として何を目指しているのか」が誰にも分からない状態でした。

「先代は優れた経営者でしたが、すべてを自分の頭の中で判断していました。理念も方針も明文化されていなかったので、社員は各自の判断で動くしかなかった。それが当社の限界でした。」

「何を目指す会社なのか」から始める

まず取り組んだのは、経営理念の策定でした。最初は「理念なんて作っても壁に飾るだけでしょう」と冷ややかな反応もありました。

しかし、ワークショップ形式で幹部社員と議論を重ねるうちに、空気が変わっていきました。「お客様にとって、うちの店はどんな存在であるべきか」「自分たちが誇りに思える仕事とは何か」──普段は口にしないような本音が飛び交い、議論は白熱しました。

全社員アンケートも実施し、現場の声を反映したミッション・ビジョン・バリューが完成しました。全社集会で発表した日のことは忘れられません。

「発表を聞いた整備士の一人が『やっと、自分たちの仕事の意味が言葉になった気がします』と言ってくれました。あの瞬間、理念を作ってよかったと心から思いました。」

「見えない経営」からの脱却

理念という軸ができた次のステップは、経営の見える化でした。

拠点別・商品カテゴリ別の予算管理体制を構築し、月次の予実比較が容易にできるフォーマットを整備。サービス部門の売上・原価管理も含め、事業全体の収益構造を可視化しました。

これまで「なんとなく儲かっている」と思っていた部門が実は採算ギリギリだったり、逆に注力していなかった分野に成長の種があったり。データが教えてくれる事実は、時に厳しく、しかし常に有益でした。

経営会議、拠点長会議、部門ミーティングの3層構造の会議体系も設計しました。各会議の目的、参加者、議題、頻度を明確に定義。議事録テンプレートとアクションアイテム管理の仕組みを導入したことで、「決めたことが実行される」文化が生まれ始めました。

チャットツールが変えた「当たり前」

最後に取り組んだのが、ビジネスチャットツールの導入です。

拠点間の連絡、予約の共有、在庫情報の確認──これまでは電話やFAXに頼っていたものが、チャットツール一つで瞬時に共有できるようになりました。

導入にあたっては、業務に即した活用ルールの策定と全社員向けの操作研修を丁寧に行いました。最初は「こんなの使いこなせない」と言っていたベテラン社員が、1ヶ月後には誰よりも活発にメッセージを送っている姿には、思わず笑みがこぼれました。

「以前は、別の拠点に在庫を確認するのに電話して、相手が出なくてかけ直して、やっと確認が取れる。それだけでかなりの時間がかかることもありました。今はチャットで聞けば数分で返事が来る。こんなに変わるものかと驚きました。」

数字が示す変化

理念策定から始まった一連の取り組みは、着実に成果を生んでいます。

社員の帰属意識が向上し、離職率は大幅に改善しました。予実管理体制の整備により、月次の経営判断スピードが大幅に改善。会議体の整備で、拠点間の情報共有漏れはほぼ解消されました。

チャットツール導入後、社内連絡にかかる時間は約半分に短縮。サービス部門の予約管理効率化により、1日あたりの対応件数も約2割増加しました。

一つのチームとして

事業承継という大きな転換期に、「何を変え、何を守るか」を整理できたことが最大の収穫でした。

「理念づくりから始めたことで、ITツールの導入もスムーズに進みました。社員全員が同じ方向を向き、以前よりも格段にコミュニケーションが取りやすい会社になったと実感しています。」

当社の規模は、大企業から見れば小さな組織かもしれません。しかし、全員が本気で同じ方向を向いた時に生まれるエネルギーは、想像以上に大きいものでした。先代が築いた土台の上に、新しい時代にふさわしい経営の形を作り上げていく。その挑戦は、まだ始まったばかりです。


※本事例は、当社の支援内容をわかりやすくお伝えするために内容を一部調整しています。

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