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「社長の人脈頼み」から脱却した、地域密着工務店の営業改革

住宅建築業 社員数:約15名規模 代表取締役社長

業種

住宅建築業

規模

社員数:約15名規模

主な支援内容

戦略策定、経営理念・MVV策定

社長が倒れたら、会社も倒れる

「もし自分が病気で1ヶ月動けなくなったら、この会社はどうなるだろう。」

そんな恐ろしい想像をしたのは、ある日曜日の夜でした。翌週の商談スケジュールを確認していた時のことです。ほとんどの商談が、私個人の人脈や紹介から生まれたもの。ウェブサイトからの問い合わせはわずか。

約15名規模。住宅を手がける、地域密着型の工務店。品質の高いものづくりには自信がありました。お客様からの評価も高い。しかし、集客は私の人脈と既存顧客からの紹介にほぼ完全に依存していたのです。

「腕は確かだと自負していましたが、新しいお客様との出会いが私個人に依存している現実は、経営者として最大のリスクでした。社員にも『社長がいないと仕事が来ない会社』という意識が、無意識のうちに染みついていました。」

見えていなかった「伝える力」の不足

ウェブサイトはあったものの、更新は月に1回あるかないか。SNSも開設はしていましたが、投稿は不定期。問い合わせは月に数件程度で、そのほとんどがそのまま途切れていました。

しかし、問題はそれだけではありませんでした。展示場やイベントに来てくださったお客様の情報は紙のノートに記録され、棚の奥に眠っている。せっかく興味を持ってくださった方へのフォローアップが、まったくできていなかったのです。

そして何より、自社のブランドイメージが曖昧でした。「何が強みですか?」と聞かれた時に、社員によって答えが違う。それでは、お客様に選んでいただく理由を伝えることは到底できません。

理念から始まった改革

専門家への相談は、知人の経営者の勧めでした。最初の提案は意外なものでした。

「集客の前に、まず御社のブランドの軸を定めましょう。」

営業の仕組みを教えてほしいと思っていた私に対して、最初に提案されたのはミッション・ビジョン・バリューの策定。正直、遠回りに感じました。

しかし、幹部社員と共に「自分たちが大切にしてきた家づくりへの想い」を言語化していく中で、チームの空気が変わっていくのを感じました。「地域の暮らしを豊かにする住まいづくり」──その言葉が定まった時、ウェブサイトのメッセージ、営業トーク、提案資料のすべてが一貫性を持ち始めたのです。

「理念を先に定めたことの価値は、後になって分かりました。ブランドの軸があるから、どんな情報を発信すべきかが自然と見えてくる。何を伝えるかが明確になったから、営業の仕組みもスムーズに構築できたのです。」

顧客の旅を設計する

次に取り組んだのが、マーケティング・営業体制の構築です。

ターゲット顧客のペルソナを設計し、認知から見学会来場、商談、成約に至るまでの「顧客ジャーニーマップ」を作成しました。お客様が検討し始めてから契約するまで、どんな情報が必要で、どんな体験を望んでいるのか。その全体像を描いたのです。

ウェブサイトのコンテンツを強化し、SNS運用戦略を策定。地域イベントを活用した集客施策も設計しました。営業プロセスを標準化し、各段階での最適なアプローチ手法を定義したことで、「個人の勘」に頼らない営業が可能になりました。

CRMという「記憶」

最も大きな変化をもたらしたのが、CRM/SFAツールの導入でした。

これまで紙のノートに眠っていたお客様の情報が、すべてクラウド上で管理されるようになりました。問い合わせからの自動フォローメール、来場後のステップメール配信といったマーケティングオートメーションの仕組みも構築。

「この方、以前見学会に来場されて、環境のことを気にされていましたね。」──そんな丁寧なフォローが、仕組みとして可能になったのです。

営業担当者ごとの活動量と成約率がダッシュボードで可視化され、データに基づく営業マネジメントも実現しました。

「CRMを導入してから、お客様に『御社は本当に丁寧ですね』と言っていただく機会が格段に増えました。以前は対応の質が人によってバラバラでしたが、今は全員が同じレベルのフォローをできるようになりました。」

数字が証明する変革

改革の成果は、数字にはっきりと表れています。

ウェブサイト経由の問い合わせ数は大幅に増加。見学会来場者の成約率は約2倍に向上しました。CRMの活用で見込み客のフォロー漏れが解消され、長期追客からの成約も増加。年間受注件数は約4割の増加を達成しました。

ブランドイメージの統一による効果も大きく、顧客アンケートでの認知度・信頼度が大幅に改善されています。

「組織で営業する」という文化

「これまで社長の人脈頼みだった営業が、組織として機能する体制に変わりました。CRMの導入でお客様一人ひとりに寄り添ったフォローができるようになり、『御社は丁寧ですね』と言っていただく機会が増えました。ブランドの方向性が明確になったことで、社員全員が自信を持ってお客様に向き合えるようになっています。」

今、社員一人ひとりが「営業」に主体的に取り組む組織文化が育っています。スタッフが施工事例をSNSに投稿し、現場担当が見学会でお客様に直接語りかける。全員が自社のブランドを理解し、誇りを持って伝えている。

もし今、1ヶ月間動けなくなったとしても、この会社は動き続ける。そう思える組織になったことが、何よりの成果です。


※本事例は、当社の支援内容をわかりやすくお伝えするために内容を一部調整しています。

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