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理念を軸にM&Aへ踏み出す ── 卸売業の新たな成長戦略

資材卸売業 | 社員数:約15名規模 | 代表取締役社長

業種

資材卸売業

規模

社員数:約15名規模

主な支援内容

戦略策定、経営理念・MVV策定

節目の問い

長年にわたり各種資材を卸売する会社を、私は先代から引き継ぎ育ててきました。約15名規模。決して大きくはないけれど、堅実に事業を運営してきた自負がありました。

しかし、ある節目を迎えた時、一つの問いが頭から離れなくなりました。

「この会社は、これからの10年をどう生き残るのか。」

業界を見渡せば、取引先の統合が進み、価格競争は激化する一方。現状維持は、緩やかな衰退を意味する。成長のためには、取扱品目の拡充と商圏の拡大が不可欠でした。

そのための手段として、M&A(買い手側)を検討し始めたのです。

「自分たちは何者か」が分からない

M&Aの準備を始めてすぐに、根本的な問題に気づきました。

「どんな会社を買収したいのか」を考えるためには、まず「自分たちが何を目指しているのか」が明確でなければならない。しかし、長年の経営理念は形骸化し、社員に浸透していない。日々の業務に追われ、「自社が何を目指すのか」という根本的な問いに向き合う機会を避け続けていました。

「M&Aという大きな決断をするためには、自社の軸がなければならない。買収先を選ぶ基準も、統合後の方向性も、すべては理念から始まるのだと気づきました。」

もう一つの壁は、財務管理体制の脆弱さでした。月次の収支は分かっても、部門別・商品カテゴリ別の収益性は見えていない。金融機関にM&A資金の融資を相談するにも、自社の財務状況を精緻に説明できる自信がありませんでした。

理念の再構築

専門家に支援を依頼し、まず取り組んだのが経営理念の再定義でした。

私と幹部社員との対話を重ね、会社の原点と将来ビジョンを言語化していきました。長年、何を大切にしてきたのか。お客様にどんな価値を提供してきたのか。これからの時代に、どんな存在でありたいのか。

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)が完成した時、不思議な感覚がありました。「新しいものを作った」というより、「ずっとそこにあったものを言葉にした」という感覚です。

社内浸透のためのワークショップも実施し、社員一人ひとりが理念を自分の言葉で語れるようになりました。小さな会社だからこそ、全員が同じ方向を向くことの威力は絶大でした。

財務基盤を固める

理念と並行して、財務管理体制の整備にも着手しました。

月次の予算・実績管理体制を構築し、部門別・商品カテゴリ別の収益性を可視化。管理会計を導入し、経営判断に必要な財務情報をタイムリーに把握できる仕組みを作り上げました。

月次決算は大幅に短縮。データに基づく意思決定が可能になったことで、不採算商品の見直しも迅速に行えるようになりました。

「財務の見える化によって、自社の強みと弱みが数字で明確になりました。M&Aを考える上でも、自社のどの部分を補強したいのかが具体的に見えるようになりました。」

M&Aへの挑戦

理念と財務基盤が整ったことで、いよいよM&Aに本格的に着手しました。

成長戦略に合致する買収ターゲットの条件を整理し、業界ネットワークを活用した候補先リストの作成。初期的な企業価値評価、交渉支援に至るまで、一貫したアドバイザリーを受けながら進めていきました。

特に力を入れたのが、買収後の統合計画(PMI)の事前策定です。買収して終わりではなく、二つの組織が一つになるためのロードマップを事前に描いておく。その準備があるかないかで、M&Aの成否は大きく変わると教わりました。

結果として、候補先との具体的な交渉が進行し、基本合意に至りました。金融機関からの信頼度も向上し、M&A資金の融資内諾も取得できました。

軸を持って成長する

「理念の再構築とM&Aの準備を同時に進めるという難しいプロジェクトでしたが、一貫した支援のおかげで自社の軸を見失うことなく成長に向けた一歩を踏み出すことができました。財務面の基盤強化が金融機関との交渉にも大きく貢献しています。」

小規模な会社がM&Aに挑む。それは決して無謀なことではありません。自分たちが何者であるかを知り、どこに向かうのかを明確にし、財務の裏付けを持って臨めば、規模に関係なく成長の扉は開ける。

私たちの第二章が、今始まろうとしています。


※本事例は、当社の支援内容をわかりやすくお伝えするために内容を一部調整しています。

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理念再構築とM&Aアドバイザリー

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